ご挨拶
「東日本大震災3周年追悼式」において、天皇陛下は“国民皆が心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います”というお言葉を述べられました。この“寄り添っていく”という言葉こそが、今までがそうであったように、これからにおいても、我が国の在り様の基本とすべき“道”ではないでしょうか。いうまでもなく我が国は、四方八方を海に囲まれ、高温多湿のモンスーン気候のなかで春夏秋冬の四季に恵まれ、そして同時に地震や台風や豪雨や洪水、さらには火山爆発という自然災害と背中合わせの脅威にさらされる風土に根付く国です。自然を恐れ、そして同時に自然を敬うという、共生共存文化が根付く国でもあります。つまり、我が国は世界のどこの国もがうらやむ調和エネルギーが充ちている国なのです。
例えば、世界で創業200年以上の企業は5,586社あると言われていますが、このうちの半分以上の3,146社が、日本の老舗企業です。地域と寄り添っていく、社員とその家族と寄り添っていく、お客さまと寄り添っていく、そして関連会社のすべてと寄り添っていく。この寄り添っていくという在り様こそが、調和エネルギーの源であり、そこには資本主義の限界に縛られた<善・悪>等の二元論に基づく競争原理が優先するシステムが機能している世界は存在していないのです。かつて業を興すことを支援する銀行という、文字通り名が体を顕した銀行がありました。企業の発展に寄り添っていく銀行の、一つの在り様でした。いまこそ世界に向けて、日本の調和エネルギーを発信していくときではないでしょうか。
2014年 4月 吉日
吉田篤生会計事務所
所長 吉田 篤生