YOSHIDA ATSUO ACCOUNTING OFFICE

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ご挨拶

 日本経済新聞(2011/06/25)によれば、中国は2050年をメドに標準的な原発を400基以上稼働させる長期エネルギー構想を発表したという。考えてみれば、我が国は、人口1億2千万人の電力需要を賄うために54基の原発を建設し稼働させているのである。人口13億人を超える中国の電力事情を賄うために400基の原発を必要とするのは、あたりまえといえば、あたりまえのことだろう。言うまでもなく、我が国は、中国に建設される原発の風下に位置する国である。中国に建設された原発の一基にでも事故が発生すれば、事故原発から飛散する放射性物質は偏西風に流され、黄砂と共に我が国の全域に到達する。
 福島原発の事故により、我が国の世論は“脱原発”へとエネルギー施策の転換を要求している。しかし原発の問題は、我が国だけのローカルな問題ではなく、グローバルな観点からとらえざるを得ない問題ではないだろうか。我が国が有する原発建設や維持メンテナンスや安全対策などのノウハウを、“脱原発”という大義名分で枯渇させるべきではない。少なくとも、中国の長期エネルギー構想に対して、技術支援、経済支援、とあらゆる支援の手をさしのべていくべきではないだろうか。過去の歴史を紐解いてみるまでもなく、日中間の友好関係を築き上げることが東アジア、ひいては環太平洋社会の安寧への道ではないだろうか。

2012年 1月 吉日

吉田篤生会計事務所
所長 吉田 篤生