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吉田篤生会計事務所 提言・論文

提 言

提言:「統合政策会議」設置のご提案
21世紀社会における職業会計人の在り方を考える。


TKC全国会 会員 吉田篤生
 
<ご提案のあらまし>

 TKCが設立されて30有余年が経過した今日、時代は21世紀を迎え、かつてない急激な変貌を遂げようとしている。とくに社会主義の崩壊による東側世界の瓦解は、その瞬間においては資本主義の勝利を意味したが、同時に、資本主義そのものが相対立する存在の消滅により、自己存在の再定義をせざるを得ない状況になってしまった。
 
 事実、経済は、もはやファンダメンタルな要因では何一つ動いていない。株式市場においても株価を動かしているのはキャピタルではなく、間違いなくシンボリックである。社会の景色が大きく変わってしまったのである。かのP・F・ドラッカーも、彼の著書である《新しい現実》で述べている。歴史にも境界分水嶺がある。そして、その境界は目立つことがない。とくに気づかれることもない。だが、ひとたび歴史が、その境界を越えてしまえば、社会的、政治的な風景のすべてが変わる。そして言葉さえも変わる、と。
 
 当然のことであるが、
歴史はすでに変わってしまったのである。それも変わって久しいのである。

 
 企業における利益の獲得形態も、生活者における価値観も大きく変わってしまったのである。何が大きく変わったか。一つには情報量である。マスコミの発達と、その情報ネットワークの進化が、すべての情報をオープン化してしまったのである。結果は、情報の囲い込みによって発生していた利権の顕在化と消滅である。つまり、社会組織の上部に一極集中していた情報が、社会組織の下部に並列的に分散するようになってしまったのである。産業構造においては、もはやメーカーの側の主導のもとにエンドユーザに商品を提供するという関係は消滅し、メーカーはエンドユーザが欲する商品を、ひたすら後追い生産している状況である。とくにコンピュータ関連業界においては、コンピュータを使いこなしているエンドユーザの方が、コンピュータのハードウェアやソフトウェアを生産・販売しているメーカーの側の人間より商品知識が詳しいという現象がおこっている。
 
 かつては、専門家の側に高度な知識とノウハウが蓄積されていたが、いまや、顧客の側に高度な知識やノウハウが蓄積されているのである。この現象は、TKCのもとで血縁的団結を形成してきた専門家集団である、我々TKC会計人においても例外ではない。きしくも飯塚毅会長が、昭和37年9月にニューヨークで行われた第8回世界会計人会議のときに、『会計帳簿の手書きの時代は永久に去った』と直覚された事実は、その3年後に、J.L.Carey氏の著書である《会計士は未来を企画する》という本の中の、『全力を上げて、最先に其処(電算機会計の領域)に突入してゆくことを怠った者は、棒泣きの結末を見るだろう』という言葉と共に現実化したのである。
 
 いまこそ、我々TKC会計人は、社会的、政治的風景のすべてが変わり、言葉さえも変わってしまった、この変革の時に、いったい社会の何が変わり、何が変わっていないのか、政治の何が変わり、何が変わっていないのか、そして、言葉の何が変わって、なにが変わっていないのかを見つめ直し、21世紀社会において、我々TKC会計人が、畏れや不安や恐怖心の無い、堂々たる職業生活を展開していくための、自浄機能を発揮していかなければならないのである。
 
 その意味において、今回、一人のTKC会計人として、『統合政策会議(21世紀社会における職業会計人の在り方を考える)』設置のご提案をさせていただいたのは、まさに飯塚毅会長が<TKC創立20周年>のときに述べられた自浄機能の確認であり、同時にそのときに、飯塚毅会長が引用されたゲーテの対話集における『人間は常に原点に回帰することが必要である』という言葉の確認でもある。そしてさらに、今回のご提案の最後の言葉として、同じく飯塚毅会長が<TKC創立20周年>のときに述べられた、『安全と平和は、無料で与えられるものと、われわれ日本人は考えがちであるが、実は、とんでもない誤解である・・・・』と言われた言葉を流用させていただき、今日、TKC会計人ばかりではなく、すべての日本人が置かれている状況を比喩させていただくことで、ご提案のあらましの筆を置かさせていただきたい。
 
 『安泰と繁栄は、TKCに所属していれば無料で与えられるものと、われわれTKC会計人は考えがちであるが、実はとんでもない誤解である・・・・。<俺がやらずに誰がやる!>という、ドイツ税理士法第57条、ドイツ公認会計士法第43条が規定するように、業務の内外において、国家と社会から<信頼と尊敬とを受ける>自分というものを形成してゆくとの決意に立った活動を展開していって頂きたいのである。決して、自己の社会的責任を無視した、エゴの中に立てこもってしまう姿勢だけは、絶対にとらないようにしていただきたい。』

以上
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提言に関する資料
◆統合政策会議が目指す未来
◆統合政策会議が目指す<巡回監査&決算監査>業務の段階的スキルアップ

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